東洋医学と
今も昔も女性に備わっている霊性

 

東洋医学の基本前編
 

特集コーナー「知りたい」連動スペシャル

 

連載第6回
『東洋医学の基本~後編』

 

監修:しほみ先生
イラスト:もとゆきまみ
取材、文:トミジュン
 
 

 

HOME | 東洋医学と今も昔も女性に備わる霊性 | 6_東洋医学の基本~後編
 

わたしたち女性が(もちろん男性の皆さまもウエルカムです! 当オンラインマガジンはいわゆる「女性誌」として制作していますので女性へ向けた記事が多くなっていますが)、
本来の自分自身、本来のこころ、からだ、霊性からずれてしまうと病気になってしまう……という現象を、しほみ先生に東洋医学について教わりながら、深堀りしていくこのコーナー。
読者さまより
「東洋医学の基本を知りたい」
「そもそも東洋医学ってなに?」
というお声を頂戴しまして
2026年9月3日に公開した回を前編、そしてこのページを後編とし、2回に分けて、しほみ先生の監修のもと編集部より
「東洋医学の基本」
をお届けします。
こぐま座ブックスでは
東洋医学について
この世の仕組みについて
こう考えてこういう勉強と実践をしておりますよ、というスタンスでの文章です。
ぜひ前編後編、あわせてお読みいただけると嬉しいです。
 
今後しほみ先生のお書きになる記事が公開されるごとに、この
「東洋医学の基本」
も、適宜加筆修正し
いつでもこのページに戻って辞書としてお使いいただけるように制作していこうと考えております。
そして皆さまの「知りたい」にもなるべくお答えしていきますし
もし編集部の書いた文で疑問などがありましたらぜひお気軽にお声掛けくださいね。
 


 
そもそも…東洋医学ってなに?
と考えたときにすぐ浮かぶのは
「西洋と東洋」の分け方のうえでの「東洋」
だということ。
広義ではアーユルヴェーダ、シッダ医学、チベット医学やモンゴル医学などが知られていますが、中でもアーユルヴェーダは現代の日本、特に都市部の女性たちの間でも人気なので、ご存じの読者さまも多いかもしれませんね。
そう、お気づきのとおり、それぞれ数千年前より続いている医療(1万年以上前から続いているとされている医療もあります)、哲学、それぞれの土地ごとに発展してきた伝統だということ。
そして現代の日本で「東洋医学」と言ったときに指すのはおもに中国で発展した「中医学」韓国で発展した「韓医学」、そして日本で発展した「日本漢方」。
鍼灸、養生、漢方薬。
西洋医学は「病気、症状」をみることが多いですが
東洋医学は「そのひと全体」をみていきます。
それらのおおもとになっている基本。
駆け足になってしまうかもしれませんが、ここで皆さまご一緒に知っておきませんか?
日常おおいに役立つことばかりです。
前編ではこの世の中の成り立ちなどの基本から、陰陽、五行などをご紹介いたしました。
今回の後編では、もう少しだけ詳しく東洋医学、特に中医学の用語やからだの捉え方などをお伝えいたします。
『前編』『後編』と順番にお読みいただけますとわかりやすいかと存じます。
 


 
〇東洋医学では、こころの病気とからだの病気との分類はせず、下記3つに分けて体調を感じとっていきます。
 
健康:こころもからだも不調がなく軽い。健やか
未病:病院へ行っても診断名がつくほどではないが不調があり気になる状態
病気:投薬や手術などの治療が必要なところまで不調が進んでしまった状態
 
 
〇ひとりの人間の状態をみるときに東洋医学では
「気」「血」「水」
という概念を用います。
 
気:生命活動のもと、根源的なエネルギー。さまざまな働きがありますが体内では血と水も気が動かしていたり、代表的な例で言えば神経系・内分泌系とかかわっています。
血:体内をめぐる赤い液体。酸素や栄養素を運んだり、ホルモンバランスなどにかかわっています。
水:体内の透明な液体。リンパ液や鼻水や尿なども。免疫にかかわっています。
 


 
 

 
 
 
更に、前回「五行」の項目でも登場した「五臓六腑」の性質を用いてこころとからだをみていきます。五臓と六腑は陰陽表裏の関係です。それぞれ助け合い機能しています。
 
 
〇五臓
気血水と精を貯蔵します。
 
肝:全身の気の巡りを正常に整える、血を貯蔵し、必要な量を必要な場所へ供給する。解毒。
肝が弱ると……イライラ、髪や爪のつやがなくなる、視力低下、月経の不調、手足のふるえ、筋肉のけいれん、など。
 
心:血を全身へ送り意識や知覚をつかさどる。精神の維持安定。
心が弱ると……動悸、胸痛、不安感、不眠、物忘れなど。
 
脾:消化、吸収、全身への運搬。気や内臓を持ち上げる。血が漏れ出ないよう保つ。
脾が弱ると……食欲不振、消化不良、下痢、胃下垂、脱肛、皮下出血、元気が出ない、クヨクヨする、むくみなど。
 
肺:呼吸から気を作る。気をめぐらせ防御力をつくる、水の巡りを調整する。
肺が弱ると……息切れ、風邪をひきやすい、鼻づまりやくしゃみ、咳、痰がからむ、汗が止まらない。
 
腎:生命力の源(=精)を蓄える。水の代謝を正常に保つ。吸気をつかさどる。生殖を担う。
腎が弱ると……白髪、耳鳴り、難聴、記憶力低下、頻尿、夜間尿、物忘れ、足腰の弱り、だるさ、発育不良など。
 
*「精」とは生命活動を維持するエネルギー、元気。先天の精は親から子へ受け継がれる生まれ持った生命エネルギー。後天の精は飲食物や呼吸から自分で作り出す生命エネルギーで先天の精を補充する。
 
 
〇六腑
気血水の材料を運んだり出し入れしたりします。
 
胆:肝のコントロールに従い胆汁を貯蔵し消化を助ける。決断をつかさどる。
胆が弱ると……口が苦くなる、優柔不断になる、消化不良、黄疸など。
 
胃:食べ物を粗く消化し不要物を下方へ降ろし、必要物は脾へ送る。脾の作用で気血水のもとになる栄養(水穀の精微)となる。
胃が弱ると……食欲不振または食欲の出過ぎ、吐き気、げっぷ、便秘、口臭など。
 
小腸:胃から送られたものを必要な栄養と不要物に分別する。不要物のうち水分は腎、膀胱へ、固形物は大腸へ送る。心との結びつきが強い。
小腸が弱ると……腹痛、下痢、排尿痛など。
 
大腸:小腸から送られてきた不要物から水分を吸収しながら大便をつくり肛門へ送る。肺と結びつきが強い。
大腸が弱ると……下痢、便秘、しぶり腹、血便など。
 
膀胱:腎と結びつきが強く腎が不要とした水分を貯める。不要な水分を排泄。
膀胱が弱ると……残尿感、頻尿、尿漏れ、尿の濁り、尿量増加など。
 
三焦:皮膚と臓器の間にある気と水の通路、五臓五腑をつなぐ。巡り、流れ。横隔膜から上の「上焦」、横隔膜からへそあたりの「中焦」、それより下の「下焦」。
三焦が弱ると……浮腫み、尿が出にくいなど。
 
 


 
〇東洋医学では「バランス」を大切にします。
 
*表裏
表と裏、表と裏の間の半表半裏もあります。
表証:からだの表、外側、浅い部分に原因がある不調。比較的初期。
裏証:からだの裏、内側、深い部分に原因がある不調。比較的進行した状態。
 
*虚実
「正・邪」のバランスで決まります。
邪気盛んなれば則ち実、精気奪われれば則ち虚
虚証:正気(生命力、治癒力)が不足すると邪気(病邪、不調の原因)に抵抗する力が低下し、臓腑機能の低下などの現象が現れる。反応が出にくいことがある。
実証:正気(生命力、治癒力)は足りているが、邪気(病邪、不調の原因)が旺盛且つ抵抗力もあるため病気に対して激しい反応が起こることがある。
 
*熱寒
熱証:どちらかと言うと体力があり亢進傾向。体内に余分な熱がこもりやすく、暑がりでのぼせやすい。炎症傾向。
寒証:どちらかというと冷え性でからだを温めるちからが低下傾向。それに伴って免疫や抵抗力が衰えがち。
 
*前編でもご説明した陰陽
上記のバランスを陰陽で分けると
裏、虚、寒が陰
表、実、熱が陽
 
 
 

 

 
〇気血水のバランスをみていくことにより現在の状態がわかってきます。
 
気滞:心身の疲労によって気の流れが滞っている状態。
不調の現れ方……息やのどが詰まった感じ、頭、首、肩や腹などが張って痛む、イライラ、抑うつ感など。
 
気虚:気が不足している状態。
不調の現れ方……疲れやすい。汗をかきやすい、胃腸が弱い、息切れ、無力感、倦怠感、冷えなど。
 
血虚:血が足りず栄養が全身に行き渡らず不足している状態。
不調の現れ方……貧血、冷え、肌の乾燥、めまい、脚がつりやすいなど。
 
瘀血:睡眠不足や冷え、ストレスなどにより血が滞っている状態。
不調の現れ方……冷え、便秘、めまい、不眠、肩こり腰痛、肌荒れなど。
 
水毒(滞):からだの不具合・内臓の不調や筋肉骨の不調によって体内の水分に偏が生じている状態。
不調の現れ方……むくみ、リウマチなど免疫疾患、頻尿、頭痛、下痢など。
 
津液不足:水分が不足し余分な熱がこもった状態。
不調の現れ方……冷えのぼせ、のどや口の中が乾燥する、便秘、肌がかさかさするなど。
 
 


 
からだの内側にある不調の原因、からだの外側の不調の原因
からだの使い方による不調の原因
 
 
〇からだの内側にある不調の原因
*七情 過度な感情は心身を傷付ける。
 
1. 怒 肝 気が上がる(上昇) 
怒り過ぎると……血圧があがる、頭痛、めまいなど。
 
2. 喜 心 気が緩む(弛緩) 
喜び過ぎると……不眠、動悸、躁的思考力低下など。
 
3. 悲 肺 気が消える(消耗) 
悲しみ過ぎると……意欲減退、免疫低下など。
 
4. 恐 腎 気が下がる(下降) 
恐れが過ぎると……耳鳴り、性機能低下、失禁、流産など。
 
5. 驚 腎 気が乱れる(乱) 
驚き過ぎると……パニック障害、動悸、集中力低下など。
 
6. 憂 脾 気が結す(停滞) 
心配し過ぎると……食欲不振、不眠、抑うつなど。
 
7. 思 脾 気が結す(停滞) 
考えすぎると……腹痛、便秘もしくは下痢など。
 
 
 
〇からだの外側にある病気の原因
*六邪
 
1. 風邪:風邪は2月~4月に起こりやすい。軽い、上昇、発散、からだの上のほうや表面に不具合が出る、風は1年中吹いていて、春秋冬に熱邪・湿邪とともにからだに侵入することも。
からだに入ると……悪寒、鼻水、のどの痛みなど。
 
2. 湿邪:湿邪は7月ごろ梅雨の時期に起こりやすい。重く濁る、上から下へ。
からだに入ると……浮腫み、だるさ、頭痛、下痢など。
 
3. 暑邪:暑邪は5月~7月ごろの春から夏に起こりやすい。炎のような熱、上昇、発散、湿邪とともにからだに侵入しやすい。
からだにはいると……高熱、大量の発汗、口が乾くなど。
 
4. 火邪:火邪は暑邪と同じ時期に起こりやすい。火邪と暑邪をあわせて熱邪と呼ぶ。炎上、化膿、痛み。
からだにはいると……高熱、血尿、血便、吐血、精神障害など。
 
5. 燥邪:燥邪は8月~10月の秋に起こりやすい。乾燥した空気がからだの中と表面に影響。からだの水分をうばう。
からだにはいると……空咳、便秘、皮膚や髪の乾燥など。
 
6. 寒邪:寒邪は11月~1月の寒い冬に起こりやすい。寒い、冷たい。薄着や冷たい飲食でからだに侵入しやすい。
からだに入ると……冷え、頻尿、下痢など。
 
 
 
〇現代社会は疲れることがいっぱい
*五労 からだのかたよった使い方により出る不具合。
 
1. 腎労 久立 
長時間立ち続けると腎・骨を傷つける。骨や腎精を消耗し腰や足への負担や痛み、疲労感、脱毛、排尿の不具合などが起こる。
 
2. 肝労 久行
長時間歩くと肝・筋を傷つける。筋肉を酷使し、肝血を消耗し、痙攣、足のつり、めまい、目の疲れなどが起こる。
 
3. 心労 久視 
長時間ものを見続けると心・血を傷つける。心血を不足させ、視力低下、不眠、動悸、健忘、情緒不安などが起こる。
 
4. 脾労 久座 
長時間座ると脾・肉を傷つける。気血の巡りの停滞、脾の運化機能の低下、消化不良や食欲不振等が起こる。
 
5. 肺労 久臥 
横になり続けると肺・気を傷つける。肺気の宣発作用を弱め、気の巡りが滞る。気分の落ち込みや意欲低下、息切れ、浅い呼吸、肌荒れなどが起こる。
 


 
 
……かなり駆け足でお届けしましたが
皆さまよりいただきました
「東洋医学の基本を知りたい」
というリクエストに、少しだけ答えることができていますでしょうか。
もちろん、本当はもっと奥深く楽しく興味深いのですが
ひとまず基本の用語や概念を共有いたしました。
 
今回の
『東洋医学の基本~後編』
そして前回2026年9月3日に公開しました
『東洋医学の基本~前編』、
この『東洋医学の基本~前後編』を通してお読みになったあと、
改めて連載第1回~第4回の、しほみ先生のお話を読み返してみると、また違った視点で気づきを得ることが出来るかもしれません。
今後の『東洋医学と今も昔も女性に備わっている霊性』連載本編でも
今回ご紹介した言葉や概念を詳しく紐解き
『本当の自分自身からずれるとからだに不調となって現れる』
という現象の、具体的な内容やエピソードなどをお伝えしていきたいと考えています。
その都度、この『東洋医学の基本~前後編』も、加筆修正していく予定です。
 
 
 
中医学も日本漢方もアーユルヴェーダも
わたしたちの「実際の生活」において実践してみると、その素晴らしさを実感できますよ。
筆者は実際に30代前半ごろハードワークで体調を崩し
西洋医学で治す方法があまりなく「難しい病気」と言われている病気状態、健康状態から、
東洋医学のお医者さまの処方による漢方薬を飲むことと
筆者自身の『養生』によって寛解した……という経験があります。
ですが、そんな病気のご経験は無いかたも
・西洋医学の薬がきつく感じてのめないとき
・病気というほどではない未病時点での予防として
・楽しく美しく健康に生きていくための素晴らしい智慧、哲学として
・からだとこころを感じ自分自身とのつながりを取り戻したいときなど
……さまざまな場面で東洋医学はとても頼りになります。
ここでは触れていませんが、太極拳やヨガを毎日の生活に取り入れて実践するのも、とても気持ちよく楽しいものです。
ぜひぜひ、この機会に、東洋の素晴らしい哲学、医学、智慧に触れてみてくださいね。
 
 


 
 
今回、読者さまの「東洋医学を知りたい」というお声から制作したこのページ。
疑問やご質問、ご要望
「こういうこと取り上げて欲しいなあ」
「ワークショップやイベントがあったら参加してみたい」
などなどありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせからご連絡くださいね。
インスタのDMでもOKですよ。
すべて筆者が確認させていただきご返信差し上げます。
お待ちしております♡